第21章 「元夫」に降格して当然だわ

「中野航平って……電話、かけ間違いじゃない? あんたのことなんて知らないし……」

菊地瑠奈は、わざとらしく鼻で笑った。

受話器の向こうの中野航平は、彼女が切ろうとしているのを察したらしい。声が少しだけ硬くなる。

「菊地さん。栞のことで、話がしたいんです」

「栞が電話に出ない。連絡がつかないから、あなたにかけました」

早口でまくし立てる。

「親友なら、栞の幸せを願ってるでしょう。俺と栞は結婚して七年、蓮も六歳です。夫婦仲だってずっと良かった。離婚なんて、そんな簡単に言い出していい話じゃない」

「ふん」

菊地瑠奈は冷たく笑い、とはいえ電話は切らなかった。

長谷川栞の腹には、まだ...

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